第24回ひまわり探偵奮闘記「現代社会の現状」 福山市

現代社会の現状
探偵奮闘記も早いもので丸2年、今回が24回目となり、最終回を迎えることになりました。連載中、当事務所には約250件の依頼と、その4~5倍の相談が寄せられました。この2年間の相談内容のトップは、やはり離婚がらみの浮気調査。次に多いのが、行方不明や所在を確認したいというものでした。また、金銭の貸し借りによるトラブルの相談も多く、当事務所全体の相談、依頼件数は年々増加しています。

 増加の要因として次のような社会情勢が大きく関係していると思われます。離婚問題では昭和45年、全国で9万5千件だった離婚件数では現在、28万6千件のものぼり、この30年間で約3倍。約1分49秒に1組の割合で離婚が届けられています。

 また、結婚期間25~30年の夫婦の離婚率は7倍に、30~35年で12倍。また、結婚期間35年以上の熟年夫婦の離婚は15倍に増えていることなどからも、「熟年離婚」が増えたことが増加の要因になっていると思われます。


女性の社会進出
その背景には女性の社会進出が進み、男女間の格差がなくなり、経済的に自立できる女性が多くなったこと。それで、離婚に踏み切る女性が増えたのも離婚件数増加に影響しています。

家出や失踪による警察への捜索願はここ数年、年間10万件を超えています。家出といってもいろいろなケースがあり、未成年の”プチ家出”から中高年が突然、仕事を辞め、家に帰らなくなる失踪までさまざまです。男女の駆け落ち、借金からの夜逃げ、いなくなる人間の理由は多様化していますが、原因がわからない失踪もたくさんあります。

たとえば、栄転が決まった直後に結婚が決まり、誰の眼にも幸せな人が突然いなくなるのです。他人から見て、まったく理由のわからない失踪の影には、現代病のひとつといわれる「うつ病」があると思われます。つまり、自分にかかる責任やプレッシャー、家庭や会社でのさまざまなストレスから逃れるための失踪です。

通院してない軽度のうつ病患者は、全国に300万人以上いるといわれており、一説には国民の10人に1人の割合だ、ともいわれています。また、昨年の年間自殺者数3万4千人の8割が「うつ病」だったともいわれています。


自己破産は72倍
1982年、全国の自己破産者数はたったの3千3百人。しかし、2004年には24万人と約72倍に膨らむという異常な増加があり現在、自己破産者予備軍は200~300万人いるともいわれています。これほどまでに破産者が増える要因は不況というよりも、誰でも簡単に借金ができてしまう現状や、借金に対する考えが安易になっている風潮ではないでしょうか。

 当事務所にも「家庭の借金の実態を調べて欲しい」という相談が後を絶ちません。実際調べてみると、サラ金やカード会社から数百万の借入があることが多く、そのほとんどのケースで自己破産を選択するようです。また、知人同士の金銭の貸し借りがからむ、トラブルも後を絶ちません。

 このようにめまぐるしく変化していく社会の中で私たちは生きているのです。10年前まで「ストーカー」という言葉さえありませんでした。また携帯電話やインターネットもなく、その普及で、見ず知らずの人間が簡単に出会うことができ、その関係も「匿名性」が強いものになり、犯罪の増加を後押ししています。このような混沌とした現代社会の情勢や複雑な人間関係を反映して、探偵を必要とする人はこれからも増えていくと思います。

 「探偵奮闘記」は今回をもって最終回となりますが、私ども「ひまわり探偵社」では、よりいっそう依頼人のお力になれるよう、努力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。2年間と短い間でしたが、ご愛読いただきありがとうございました。


「注意!」 最近、あたかも事務所があるかのようにみせかけたり、料金を明確にせず、喫茶店などに依頼人を呼び出そうとする調査会社が増えております。お気をつけ下さい。




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